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相続・空き家読了目安 約5

世田谷の実家を兄弟で分ける。共有のままにしない、3つの分け方

現金は等分できても、家は3つに割れません。現物分割・代償分割・換価分割の3つの型と、それぞれが世田谷の土地で行き詰まりやすいところ。そして、いちばん先送りになりやすい「とりあえず共有」が何年後に効いてくるのかを整理しました。

世田谷でご相続のご相談をいただくとき、いちばん多いのが**「実家をどう分けるか」**です。区内の住宅地は路線価が高く、預貯金を足しても不動産が遺産の大半を占めます。

現金なら等分できますが、家は3つに割れません。 ここでは、不動産がひとつ・相続人が複数、という前提で、分け方の3つの型と、いちばん避けたい「とりあえず共有」について整理します。

3つの分け方

1. 現物分割

そのままの形で分けます。土地が広ければ分筆して分ける方法もありますが、世田谷では現実的でないことが少なくありません。

理由は接道です。区内には幅員4m未満のいわゆる2項道路(建築基準法42条2項)に面した敷地が多く、分筆すると片方が接道義務(同法43条1項。幅員4m以上の道路に2m以上接すること)を満たせなくなったり、旗竿地になって評価が大きく下がったりします。分ける前に、分けたあとの土地に家が建つのかを確かめる必要があります(細い道と再建築不可)。

2. 代償分割

ひとりが不動産を取得し、他の相続人へその分の金銭を支払います。実家に住み続けたい人がいるときの定番です。

問題は、支払う側に現金が要ることです。世田谷の戸建てなら代償金が数千万円になることもあり、**「住み続けたいが払えない」**で止まります。借入で用意できる場合もありますが、返済の見通しは先に立てておくべきです。

もうひとつの論点が、評価額をいくらにするかです。固定資産税評価額・路線価・実勢価格のどれを使うかで代償金は変わります。もらう側は高く、払う側は安く見たいので、ここが揉めどころになります。

3. 換価分割

売却して、代金を分けます。いちばん公平で、いちばん揉めにくい方法です。金額が1円単位まで明らかになるため、評価額の争いが起きません。

留意点は3つあります。売却には時間がかかること(査定から引渡しまでの流れ)、譲渡所得税がかかりうること、そして売るには先に相続登記を済ませる必要があることです。

なお、相続した実家を売る場合、要件を満たせば被相続人の居住用家屋(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除(租税特別措置法35条3項)が使えることがあります。耐震基準を満たすか取り壊すことなど条件が細かく、適用期限も定められています。延長されてきた経緯があるため、最新の期限と要件は国税庁の資料と税理士にご確認ください。

「とりあえず共有」が、いちばん重い

結論が出ないとき、法定相続分どおりの共有で登記してしまうことがあります。その場では平等に見えますが、決めていないだけです。

全員の同意がないと動かせない

共有物の全部を売るには、共有者全員の同意が必要とされています。形状や効用の著しい変更をともなう行為も同じく全員の同意が要ります(民法251条1項)。管理にあたる行為は持分の価格の過半数です(同252条)。つまり、ひとりが反対すれば、売ることも建て替えることもできません。

次の相続で、権利者が増える

これがいちばん効いてきます。3人の共有で持っていた実家は、そのうちのひとりが亡くなれば、その持分が配偶者や子どもへ移ります。一代ごとに枝分かれし、20年30年で十数人になることも珍しくありません。

面識のない相続人が出てくれば、まず連絡先を調べるところから始まります。所在の分からない共有者がいる場合の手当ては2023年4月1日施行の改正民法で整いましたが(所在等不明共有者の持分の取得、民法262条の2)、裁判所の手続きを通すため、時間も費用もかかります。

まとまらなければ、裁判という道しかなくなる

どうしても折り合わなければ、共有物分割請求(民法256条・258条)はあります。ただし訴訟になれば年単位の時間がかかり、費用と、兄弟の関係の両方が削られます。

揉めさせないために、できること

評価額の「共通の土台」を先に作る

相続人がそれぞれ別の会社で査定を取ると、金額が食い違って話が進みません。同じ資料を全員で、同時に見ることが出発点です。査定額がなぜその金額になるのかは、査定額の見方にまとめています。

分け方を、遺言書で決めておく

分け方が書いてあれば、遺産分割協議そのものが不要になります。ただし遺留分(民法1042条)を割り込む内容は、あとから金銭の請求を受けることがあります(遺言書の3つの形と保管制度)。

誰も住まないと決まっているなら、早く動く

空き家のまま置くと、固定資産税・火災保険・管理の費用が毎年かかります。管理が行き届かず管理不全空家等(2023年12月13日施行の改正空家法)に指定されて勧告を受けると、住宅用地特例の対象から外れ、固定資産税が上がることがあります(空き家になったら)。

手続きの期限は相続の期限と順番にまとめました。

数字を、利害のない第三者から出す

兄弟だけで話すと、金額の話がいつのまにか昔の話に変わっていきます。査定という数字を、利害のない第三者から、全員へ同時に出すだけで進むことがあります。

BATONは世田谷で30年、こうしたご相談を受けてきました。売る・貸す・住むのどれになっても、まず現状を数字にするところからお手伝いできます。法律・税務の個別の判断は、弁護士・税理士・司法書士にご確認ください。

この記事は株式会社BATONが作成しています。個別のご事情については、お問い合わせフォームまたはLINEからお気軽にご相談ください。

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