買った家に不具合が見つかったら。買主から見た契約不適合責任と、売主で変わる期間
引っ越した後に雨漏りが見つかったとき、売主に修理を求められるかは、売主が個人か不動産会社か、新築か中古かで大きく変わります。民法の原則、宅建業法の2年、新築の10年、免責の特約の読み方と、見つけたときにすることをまとめました。
引っ越して最初の大雨の日に、天井に染みが広がった。庭を掘ったら古い基礎のコンクリートが出てきた。買った後にこうしたことが起きたとき、誰に何を求められるのでしょうか。
答えは、売主が誰かと、契約書に何が書いてあるかで変わります。 同じ雨漏りでも、ある家では売主の負担になり、別の家では買主の負担になります。株式会社BATONは世田谷区宮坂で売買のご相談を受けてきました。買う側から見た契約不適合責任を書きます。
売主の立場からの話は売ったあとに揉めないためににまとめています。
契約不適合責任とは
2020年4月1日に施行された改正民法で、それまでの瑕疵担保責任に代わって入った考え方です。引き渡された家が、種類や品質の面で契約の内容に合っていないときに、買主は売主に次のことを求められます。
- 追完の請求: 修理などを求める(民法562条)
- 代金の減額: 修理が行われないときなどに、代金を減らすよう求める(同563条)
- 損害賠償: 売主に責めがある場合に求める(同564条・415条)
- 契約の解除: 一定の場合に解除する(同564条・541条・542条)
大事なのは「契約の内容に合っているか」という基準です。雨漏りがあると告知され、その前提で値段が決まっていれば、不適合にはなりません。 付帯設備表と告知書が契約の一部になるのは、このためです。
売主で変わる期間
| 売主 | よくある内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 個人(中古) | 引き渡しから2〜3か月、または免除 | 特約で定められる |
| 不動産会社(中古・買取再販) | 引き渡しから2年以上 | 宅建業法40条 |
| 不動産会社(新築) | 構造と雨漏りは10年 | 品確法95条 |
民法の原則では、買主は不具合を知ったときから1年以内に売主へ通知すれば権利を保てます(566条)。ただ、個人が売主の場合、特約でこれを短くしたり、なくしたりできます。
不動産会社が売主のときは、宅建業法によって、引き渡しから2年より短くする特約は無効です。新築の住宅では、基礎や柱などの構造の部分と雨水の浸入について、10年の責任が義務付けられています。売主が倒れても補修できるよう、住宅瑕疵担保履行法の保険や供託も用意されています。
同じ世田谷の中古戸建てでも、個人から買うのと、不動産会社が買い取って再販した家を買うのとでは、守られ方が違います。 価格の差には、この違いも含まれています(新築の建売か中古か)。
「免責」の特約の読み方
中古の契約書で見かける言葉です。
- 「契約不適合責任を負わない」: 特約で免除する形です。古い家、相続で引き継いだ家に多く見られます
- 「現状有姿」: 今の状態のまま引き渡すという意味です。ただし、この言葉だけで責任がすべて無くなるとは言い切れません。どう書かれているかを読みます
免責の特約があっても、売主が知っていながら告げなかった不具合については、責任を逃れられません(民法572条)。ただし、売主が知っていたことを買主が示す必要があり、実際には簡単ではありません。
相続で家を売る方は、住んでいないので建物の状態をよく知らないことが多く、免責を求めることが自然です(相続した実家を売るとき)。世田谷では相続の売却が珍しくないので、この形の契約にはよく出会います。
世田谷の古い家で起きやすいこと
- 地中の埋設物。 建て替えのために解体すると、古い基礎、浄化槽、井戸、ガラが出てくることがあります
- 雨漏りと配管。 築30年を超える家では、壁の中の不具合が住み始めてから分かることがあります
- 境界と越境。 隣の塀や配管が越えていることが、測量で初めて分かることがあります
土地を買って建て替える場合は、地中の埋設物の扱いを特約で決めておけないか相談してください。
見つけたときにすること
- 修理の前に写真と動画を撮る。 修理してしまうと、原因も程度も示せなくなります
- 仲介会社に連絡する。 連絡した日付と内容を記録に残します
- 契約書の期間を確かめる。 期間内なら、書面やメールで売主に通知します
- 修理の見積りを取る。 原因の調査が要ることもあります
急いで直してから相談すると、順番が逆になります。 ただし、水漏れのように被害が広がるものは、応急の処置を先にして、その記録を残してください。
正直に申し上げると
- 個人から中古を買うと、不具合の多くは買主の負担になると考えておくのが現実的です。 守ってもらう前提で買わず、契約の前に調べるほうへ力を使ってください(建物状況調査で分かること)
- 仲介会社は売主ではありません。ただし、調べて説明する義務があり、説明が足りなかったときの責任は別に問題になります
- 請求できるか、いくら請求できるかの判断は、弁護士にご相談ください
まとめ
売主が誰か、期間はどれだけか、免責があるか。契約書のこの3点で、買った後の守られ方が決まります。 契約の前の読み方は契約の前に確かめることにまとめました。
契約書の案を読むのが不安な方は、一緒に読むこともできます(不動産購入・物件探し)。
この記事は株式会社BATONが作成しています。個別のご事情については、お問い合わせフォームまたはLINEからお気軽にご相談ください。