世田谷で家を売るときにかかる費用。売却価格から何が引かれるのか
仲介手数料・印紙税・抵当権抹消・測量・日割り精算。売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。世田谷で家を売るときに実際にかかる費用を、根拠と目安つきで整理します。
「5,800万円で売れました」という金額は、そのまま手元に残る金額ではありません。売却では、価格が決まってから引渡しまでのあいだに、いくつもの費用が差し引かれます。住み替えの資金計画を立てるときも、相続した家をご兄弟で分けるときも、必要になるのは売却価格ではなく手取りの見込みです。
ここでは世田谷で戸建てやマンションを売るときにかかる費用を、順番に見ていきます。
仲介手数料
不動産会社に支払う成功報酬です。上限は宅地建物取引業法第46条にもとづく国土交通大臣の告示で決まっていて、売買価格が400万円を超える場合は次の速算式で計算します。
売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税
5,000万円で売れた場合、5,000万円 × 3% + 6万円 = 156万円。消費税を加えて171万6,000円が上限です。
ここで押さえておきたいのは、これが上限であって、決まった額ではないということです。法律が定めているのは「これ以上は受け取ってはいけない」という線であり、下限は定められていません。
なお2024年7月1日に施行された告示の改正で、800万円以下の物件については、あらかじめ売主・買主の承諾を得たうえで33万円(税込)まで受け取れることになりました。空き家の流通を促す趣旨の改正です。世田谷の物件でこの価格帯になることは多くありませんが、地方に相続した実家をお持ちの場合には関わってきます。
支払うタイミングは、売買契約時に半額、引渡し時に残り半額とするのが一般的です。
印紙税
売買契約書に貼る収入印紙の代金です。契約金額によって変わり、軽減措置の対象になっています。この軽減措置は延長が重ねられていて、現在は2027年3月31日までに作成される契約書が対象とされています。
| 契約金額 | 軽減後の税額 |
|---|---|
| 1,000万円超 5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超 1億円以下 | 3万円 |
契約書は売主と買主が1通ずつ持つのが原則なので、それぞれが1通分を負担します。
抵当権抹消の費用
住宅ローンが残っている家を売る場合、引渡しと同時に残債を返済し、登記されている抵当権を消します。登録免許税は不動産1個につき1,000円です。
この「1個」は土地と建物で別に数えます。戸建てなら土地1筆+建物で2,000円、土地が2筆に分かれていれば3,000円です。世田谷の古い分譲地では、1つの敷地に見えても登記上は複数の筆に分かれていることがあり、権利証や登記簿を見て初めて分かる場合があります。
手続きは司法書士に依頼するのが一般的で、報酬が別途1万〜2万円程度かかります。
測量費
土地の境界がはっきりしていない場合、買主から確定測量を求められることがあります。世田谷は古い分譲地や旗竿地が多く、境界標が見当たらない土地は珍しくありません。
隣地の所有者に立ち会っていただいて行う確定測量は数十万円、道路や水路など公有地との境界(官民境界)が絡むと、金額も期間も増えます。**引渡しの直前に着手したのでは間に合いません。**売ると決めた段階で、境界の状況だけは先に確認しておくことをおすすめします(境界と測量でつまずかないために)。
日割りで精算するもの
見落としやすいのが、引渡し日を境にした精算です。
- 固定資産税・都市計画税 — その年の1月1日時点の所有者に1年分が課税されます。引渡し日以降の分を買主から受け取る形で精算するのが一般的です
- 管理費・修繕積立金 — マンションの場合。こちらも引渡し日で日割りにします
どちらも法律で決まった扱いではなく、契約でそう取り決めるという慣行です。売買契約書に精算の方法が書かれているか、確認しておいてください。
そのほかにかかるもの
- 残置物の処分・ハウスクリーニング — 家具や家電を残したまま引き渡すことは通常できません。世田谷の戸建てでは、長く住まわれた分だけ処分量が多くなりがちです
- 引越し費用 — 住み替えで仮住まいを挟む場合、2回分かかります
- 譲渡所得税 — 売って利益が出た場合にかかります。ただしご自宅の売却には3,000万円の特別控除があり、税額が出ないことも多くあります(自宅を売ったときの税金)
手取りの見込みを立てる
整理すると、手元に残る金額はこう計算します。
売却価格 −(ローン残債 + 仲介手数料 + 印紙税 + 登記費用 + 測量費 + その他)− 税金 ± 日割り精算
5,000万円で売れ、ローン残債が1,500万円ある戸建てを想定すると、仲介手数料171万6,000円・印紙税1万円・登記関係3万円ほどが引かれ、測量が必要ならさらに数十万円が乗ります。同じ5,000万円でも、境界の状況ひとつで手取りは変わります。
売却をご相談いただく段階で、この形の試算をお出しするようお伝えください。査定額だけを並べても、住み替え先の頭金がいくら用意できるのかは分かりません(査定額の見方)。BATONでは査定のご報告のときに、想定される費用を差し引いた手取りの見込みも一緒にお出ししています。
なお税額の具体的な計算は、取得費や所有期間など個々のご事情によって変わります。判断に迷う場合は、税務署または税理士にご確認ください。
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