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不動産売却読了目安 約5

世田谷の自宅を売ったときの税金。3,000万円の特別控除と、確定申告が要る場合

譲渡所得の計算のしかた、3,000万円特別控除、10年超所有の軽減税率まで。世田谷で自宅を売るときの税金を、条文の根拠つきで整理します。

「家を売ったら税金がすごいらしい」というお話をよく伺います。実際のところ、長く住まわれたご自宅を売る場合、税額が出ないことは少なくありません。ただしそのためには確定申告が必要で、ここを知らずに申告しなかったために後から連絡が来る、ということが起こります。

順を追って見ていきます。なお以下は制度の枠組みの説明です。個別の税額の判断は、必ず税務署または税理士にご確認ください。

何に対して課税されるのか

課税されるのは売却価格ではなく、譲渡所得です。売却にかかる費用そのものは別の記事にまとめました。

譲渡所得 = 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)

  • 取得費 — その家を買ったときの価格と諸費用。ただし建物は年数に応じて減価償却した後の金額になります
  • 譲渡費用 — 仲介手数料、印紙税、測量費など、売るためにかかった費用

5,000万円で売れても、4,500万円で買った家であれば、譲渡所得は諸費用を引いた残りだけです。

買ったときの契約書が見つからないとき

これが実務でいちばん重くのしかかる点です。取得費が分からない場合、**譲渡価額の5%**を取得費とみなして計算することが認められています(租税特別措置法第31条の4)。

5,000万円で売った場合、取得費は250万円。残りの4,750万円近くが譲渡所得として扱われます。実際にはもっと高く買っていたとしても、証明できなければこの扱いになります。

**売買契約書、購入時の領収書、住宅ローンの金銭消費貸借契約書は探してください。**世田谷では、親御さまが昭和期に取得された土地をお子さまが売却されるケースが多く、書類の所在が分からないことが珍しくありません。仏壇の引き出しや金庫、通帳と一緒に保管されていることがあります。

税率は所有期間で変わる

区分所有期間税率
長期譲渡所得5年超20.315%
短期譲渡所得5年以下39.63%

いずれも所得税・復興特別所得税・住民税の合計です。復興特別所得税は2037年分までとされています。

注意したいのは期間の数え方で、「売った日から5年前」ではなく、譲渡した年の1月1日時点で5年を超えているかで判定します。2021年3月に買った家を2026年5月に売る場合、実際には5年2か月経っていますが、2026年1月1日時点では4年10か月なので短期です。数か月ずらすだけで税率が倍近く変わることがあります。

3,000万円の特別控除

ご自宅(居住用財産)を売った場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます(租税特別措置法第35条)。所有期間の長短を問いません。

譲渡所得が3,000万円以下であれば、これだけで税額はゼロになります。多くの方が「税金がかからなかった」となるのはこの制度によるものです。

主な要件は次のとおりです。

  • 自分が住んでいた家であること
  • 住まなくなった場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 前年・前々年にこの特例を受けていないこと
  • 親子や夫婦など、特別な関係にある人への売却でないこと

「3年」の起算点を勘違いされる方が多い部分です。空き家のまま置いておくと、この期限を過ぎてしまうことがあります。

10年超所有の軽減税率

所有期間が10年を超えるご自宅を売った場合、3,000万円の控除を引いた後の金額に、さらに低い税率が適用されます(租税特別措置法第31条の3)。6,000万円以下の部分について14.21%です。

**3,000万円の特別控除とは併用できます。**世田谷で長く暮らされてきた方の場合、この2つが効いて税負担が大きく下がることがあります。

買い替えるときの注意点

住み替えで新しい家を買う場合、3,000万円の特別控除と住宅ローン控除は併用できません。売却側で控除を使うか、購入側で使うか、どちらが有利かは金額次第です。

売却益が小さいのであれば住宅ローン控除を選ぶほうが有利になることもあり、ここは実際の数字を入れて比べる必要があります。

相続した実家を売る場合は別の特例がある

ここまではご自身が住んでいた家のお話です。相続した空き家を売る場合には、別に「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」があります(租税特別措置法第35条第3項)。こちらも最高3,000万円です。

昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることなど要件は細かく、適用期限は現在2027年12月31日までの譲渡とされています。また2024年1月1日以後の譲渡については、買主が引渡し後の翌年2月15日までに耐震改修または取壊しを行った場合も対象に含める形へ要件が緩和されました。

相続人が3人以上いる場合は控除額が1人あたり2,000万円になるなど、細かい調整もあります。前提として相続登記を済ませておく必要があります(相続登記の義務化)。世田谷では相続をきっかけにご実家を売却されるご相談が多く、この特例が使えるかどうかで手取りが大きく変わります。**該当しそうな場合は、売り出す前の段階で税理士にご相談ください。**要件を満たすための段取り(取壊しの時期など)が売買契約の内容に関わってくるためです。

売って損が出た場合

購入時より安くなった場合、一定の要件のもとで、その損失を給与所得などと損益通算し、控除しきれない分を翌年以降3年間繰り越せる制度があります(租税特別措置法第41条の5ほか)。買い替える場合と、買い替えずに売る場合とで、それぞれ別の特例が用意されています。

こちらも確定申告をして初めて適用されます。損が出たときこそ申告してください、というのは実感の伴いにくい話ですが、還付という形で戻ってくることがあります。

税額がゼロでも申告は必要

見落とされやすいのがここです。**特別控除を使って税額がゼロになる場合でも、確定申告をしなければ控除は適用されません。**売った翌年の申告期間に、必要書類を添えて申告してください。

BATONでは、売却のご相談の段階で「取得費が分かる書類が残っているか」を最初に伺うようにしています。ここが決まらないと、手取りの見込みが立てられないためです。制度は改正が入ることがありますので、最新の内容は国税庁のウェブサイトでご確認ください。

この記事は株式会社BATONが作成しています。個別のご事情については、お問い合わせフォームまたはLINEからお気軽にご相談ください。

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