世田谷で借地権の家を買う。価格が安い理由と、地主の承諾・地代・ローンの確かめ方
借地権の家は、同じ場所の所有権の土地より2〜4割ほど安く出ることがあります。そのかわり土地は自分のものにならず、地代と承諾料が続きます。旧法と新法の違い、買う前に確かめる書類、住宅ローンの壁をまとめました。
世田谷で物件を探していると、駅に近いのに価格が低い家に出会うことがあります。広告をよく読むと、土地の権利の欄に「借地権」と書かれていることがあります。
借地権は、土地を借りて、その上に自分の建物を持つ権利です。同じ場所の所有権の土地より2〜4割ほど安く出ることがあり、予算の中で良い場所に住める選択肢になります。 ただし、買った後の費用と手続きが所有権とは違います。株式会社BATONは世田谷区宮坂で売買のご相談を受けてきました。買う前に確かめることを書きます。
旧法か新法か
借地権の扱いは、契約の時期で分かれます。
| 旧法の借地権 | 普通借地権 | 定期借地権 | |
|---|---|---|---|
| 契約の時期 | 1992年7月31日まで | 1992年8月1日以後 | 1992年8月1日以後 |
| 根拠 | 旧借地法 | 借地借家法 | 借地借家法22条など |
| 更新 | あり | あり | なし |
世田谷に昔からある借地は、旧法のものが多くあります。旧法の借地権は、地主に正当な事由が無ければ、更新を拒むことが難しい形です。 借り手に強い権利である一方、地主の側には手放したくても手放せない事情があり、関係が難しくなることもあります。
定期借地権は、期間が終わると更地にして返すのが原則です。残りの年数が短いほど価値が下がります。価格の安さだけで選ばず、契約の残り年数を確かめてください。
買った後に続くお金
- 地代。 毎月または半年ごとに地主へ払います。固定資産税の上昇などで、値上げの話が来ることがあります
- 更新料。 契約の更新のときに求められることがあります。法律で決まっているものではなく、契約の定めと慣行によります
- 建て替えの承諾料。 建物を建て替えるときに、地主の承諾と承諾料が要ることがあります
土地の固定資産税は地主の負担で、借地人が払うのは建物の分です。 所有権なら土地の税がかかるので、地代と比べて見てください。
買うときに要る地主の承諾
借地の上の家を買うことは、借地権の譲渡にあたります。地主の承諾が要ります。
承諾料の目安は、借地権の価格の1割前後といわれています。これは売主が負担するのが一般的ですが、契約の中で決める事柄です。誰が負担するのかを確かめてください。
地主が承諾しないときは、売主が裁判所に、承諾に代わる許可を求める手続きがあります(借地借家法19条)。ただし時間がかかるので、買主としては、承諾を得てから契約するか、承諾を得られなかったときは白紙に戻す条件を入れてもらうのが現実的です。
買う前に確かめる書類
- 土地賃貸借契約書。 期間、地代、増改築の制限、譲渡の条件が書いてあります。古い借地は書面が無いこともあります
- 地代の支払い記録。 滞納があると、契約の解除につながる問題になります
- 建物の登記。 借地人の名義で建物が登記されていることが、第三者に借地権を主張する根拠になります(借地借家法10条)。名義が亡くなった親のままになっていないか確かめてください
- 地主の意向。 代替わりの予定、建て替えを認めてきた経緯、底地を売る考えがあるか
住宅ローンの壁
借地権の家は、住宅ローンが通りにくいことがあります。 金融機関の多くは、土地の担保が無いことに加えて、地主の承諾書(融資の承諾書)を求めます。地主がこの書類への署名を断ると、融資が進みません。
金融機関によっては借地権を扱わないところもあります。物件を決める前に、取り扱いの有無を調べてください(事前審査から融資実行まで)。
建物が古いと、担保の評価はさらに低くなります。買う額のうち、ご自分の手元資金でどこまで賄うかも考えておいてください。
売るときのこと
売るときも、次の買主は同じ承諾とローンの壁に当たります。所有権より買主が限られ、値段も伸びにくくなります。 売主のときは、ご自分が承諾料を負担する側になることも想定してください。
地主から土地(底地)を買い取って所有権にできれば、この問題はなくなります。ただ、地主が応じるかどうか、価格がいくらになるかは相手次第です。
正直に申し上げると
- 借地権は「安い家」ではなく、権利の形が違う家です。 土地の値上がりの利益は、所有権のようには受けられません
- 地主との関係は、法律より日々の信頼で動くことが多くあります。話のしやすい地主かどうかで、住み心地は大きく変わります
- 契約書の解釈や更新の争いが見込まれるときは、弁護士にご相談ください。税の扱いは税理士へ
まとめ
契約の種類と残り年数、地主の承諾、ローンの通りやすさ。この3つが確かめられれば、借地権は世田谷の好立地に手が届く現実的な選択肢になります。 価格の読み方は中古戸建ての価格の見方にまとめました。
借地権の物件を検討していて、契約書の読み方が分からない方は、一緒に読むこともできます(不動産購入・物件探し)。
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