世田谷の中古戸建ては本当に高いのか。買う側から見る価格の根拠
売り出し価格は売主の希望です。買う側は土地の値段・建物の残り・道路と形の3つに分けて見ると、割高か割安かが判断できます。世田谷で価格が動く条件と、自分で調べられる数字をまとめました。
「世田谷の中古戸建ては高い」とよく言われます。ただ、売り出し価格は売主の希望の額で、売れた値段ではありません。 買う側は、土地の値段・建物の残り・道路と形の 3 つに分けて見ると、その価格に根拠があるかを判断できます。
株式会社BATONは世田谷区宮坂で売買のご相談を受けてきました。価格の内訳をどう読むかを書きます。
まず、土地と建物を分けて考える
中古戸建ての価格は、ほとんどの場合土地の値段が主です。世田谷の住宅地では、建物よりも土地が価格を決めます。
自分で調べられる数字は 4 つあります。読み方は世田谷の土地はいくらかにまとめました。
- 公示地価と都道府県地価調査 ── 国土交通省と東京都が毎年公表します
- 相続税路線価 ── 国税庁の財産評価基準書で、道路ごとに見られます
- 成約価格 ── レインズのマーケット・インフォメーションと、国土交通省の不動産情報ライブラリ
- 売り出し価格 ── ポータルサイト。これだけが「希望」です
建物は、築年で価値が減っていく
木造住宅は、税の計算でも実務でも、築年数とともに評価が下がります。築 20 年を超えると、建物の価格はあまり乗らなくなります。
ただし0 になるわけではありません。 新耐震(1981年6月1日以降に建築確認を受けたもの)か、その後に耐震改修をしているか、給湯器や屋根・外壁をいつ直したかで、入居後にかかる費用が変わります。「そのまま住めるか、直してから住むか」が価格の差です。
道路と形で、同じ広さでも価格が動く
ここが世田谷でいちばん効きます。
- 前面道路が 4m 未満だと、建て替えのときに敷地を後退させることになります(建築基準法42条2項)。後退部分には建てられないので、使える敷地が実際には減ります
- 接道義務(同法43条)を満たさない敷地は再建築不可として扱われ、住宅ローンが組みにくくなります(細い道と再建築不可)
- 間口が狭い・旗竿地だと、駐車場が取れないことがあります。間口 2.5m ほどだと車種によっては停められません
- 用途地域と高さの制限。世田谷は第一種低層住居専用地域が多く、建てられる大きさに上限があります
安い物件には理由があります。理由が分かっていて、自分にとって問題ないなら、それは割安です。
土地の広さは、登記簿と実測で違うことがある
古い住宅地では、登記簿の面積(公簿)と実際に測った面積が一致しないことがあります。 戦前からの地割りがそのまま残っている区画では珍しくありません。
売買契約では、公簿の面積で取引して差が出ても精算しない形(公簿売買)が多く使われます。つまり実測が小さくても、価格は下がりません。 単価が高い世田谷では、数㎡の差が数十万円になります。測量図があるか、いつ測ったものかを先に確かめてください。
「高い」と感じたときに確かめる3つ
- 近隣で同じ条件(駅からの距離・土地の広さ・道路の幅)の成約価格はいくらか
- その価格はいつから出ているか。長く売れていない物件は、価格に無理がある場合があります
- 売主の事情。住み替えの期限がある売主なら、価格の相談に応じる余地があります
値引きの交渉は、根拠があるときだけ通る
「とりあえず 200 万円引いてほしい」は通りません。通るのは、見つけた事実を根拠にしたときです。
- 給湯器や屋根の交換が入居後すぐ必要で、見積が出ている
- 境界が未確定で、測量の費用がかかる
- 長く売れていない物件で、売主にも期限がある
逆に、人気のある物件では買う側が複数いて価格が動きません。 そのときは価格ではなく、契約の条件(引き渡しの時期、ローン特約の期限)で合わせます。
正直に申し上げると
- 机上の計算で「適正価格」は出せません。 道路と形と建物の状態を現地で見ないと、同じ広さでも結論が変わります
- 相場より安い物件は、ほとんどの場合理由を書いていません。 買う前に理由を聞いてください
- 住宅ローンが組みにくい物件は、将来売るときも買い手が限られます(査定額の見方)
- 税の特例や控除の要件は入居した年で変わります。最終的な判断は税理士か税務署にご確認ください
まとめ
価格は「高い・安い」ではなく、土地・建物・道路と形の 3 つに分けて見てください。内見で確かめる点は世田谷で中古を買う前の内見、買った後の費用は買ってから続く費用にまとめました。
気になる物件のURLをお送りいただければ、価格の根拠を調べてお伝えします(不動産購入・物件探し)。
この記事は株式会社BATONが作成しています。個別のご事情については、お問い合わせフォームまたはLINEからお気軽にご相談ください。