親から住宅資金をもらって世田谷に家を買う。非課税の特例と、期限
直系尊属からの住宅取得等資金の贈与には、非課税の特例があります(租税特別措置法70条の2)。省エネ等住宅で1,000万円、それ以外で500万円。適用期限は令和8年12月31日までの贈与です。要件と、不動産会社として毎回お伝えしている持分の話をまとめました。
世田谷区で家を買うとき、ご両親から資金の援助を受けるご家庭は少なくありません。価格の水準が高い地域なので、自然なことだと思います。
このとき使える制度があります。直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税(租税特別措置法70条の2)です。
税の制度なので、細かい判断は税理士や税務署の領分です。ここでは、不動産の現場でつまずきやすいところを中心に整理します。
制度の骨格
父母や祖父母から、住宅の新築・取得・増改築のための資金を贈与で受けた場合、一定額まで贈与税がかかりません。
| 住宅の種類 | 非課税の限度額 |
|---|---|
| 省エネ等住宅 | 1,000万円 |
| それ以外の住宅 | 500万円 |
適用の期限は、令和8年(2026年)12月31日までの贈与です。 暦年課税の基礎控除110万円と併せて使えます。
期限は過去に何度も延長されてきましたが、延長されるとは限りません。 現時点の期限で考えてください。
つまずきやすい要件
期限は「もらった日」ではなく「住んだ日」で切られます
贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その資金で住宅を取得して住むこと(または確実に住む見込みであること)が要件です。
そして、贈与を受けた年の翌年12月31日までに住んでいなければ、原則としてこの特例は使えません。 その場合は修正申告が必要になります。
新築の場合は工期が読みにくいので、ここが実際に問題になります。引渡しの時期を、贈与の時期と合わせて考えてください。
「省エネ等住宅」は自己申告では決まりません
1,000万円の枠を使うには、住宅性能に関する証明書が要ります。契約の段階で、その証明を出してもらえるかを確認してください。 中古住宅では、出せない場合があります。
贈る側・もらう側の条件
- 直系尊属からの贈与に限られます。 配偶者のご両親からの贈与は対象外です
- 受贈者の合計所得金額に上限があります
- 床面積にも要件があります
非課税の枠に収まっていても、贈与税の申告は必要です。 申告しなければ適用されません。ここは毎回お伝えしています。
不動産会社として、いちばんお伝えしたいこと
税の話とは別に、実務でよく起きる問題があります。
出したお金の割合と、登記する持分を合わせてください。
たとえば、4,000万円の家を買うときに、ご主人が3,000万円、ご主人の親が1,000万円を出したとします。このとき登記をご主人の単独名義にすると、親が出した1,000万円は、ご主人への贈与として扱われます。
この特例が使えれば非課税になりますが、使えない場合や、枠を超えた部分は課税の対象になります。
- 夫婦で出し合った場合も同じです。妻が出した分を夫の名義にすれば、妻から夫への贈与になります
- 持分は、登記のときに決めます。後から直すのは手間がかかります
- 誰がいくら出したかを、振込の記録で残してください
「家族のお金だから」という感覚で進めると、ここでつまずきます。契約の前に、出資と持分の表を作っておくことをおすすめします。
相続時精算課税という選択肢
もう一つ、相続時精算課税という制度があります。令和6年(2024年)1月1日から、年110万円の基礎控除が設けられました。
ただし、一度選ぶと暦年課税には戻せません。 将来の相続まで見たうえで判断する必要があるので、税理士に相談してください。
ご実家そのものを引き継ぐ場合の話は小規模宅地等の特例は、同居していない子でも使えるのかに書いています。
正直に申し上げると、制度は変わります
ここに書いた内容は、この記事を書いた時点のものです。税制は毎年の改正で変わり、期限のある特例ほど動きます。
判断の前に、必ず次の2つをしてください。
- 国税庁のタックスアンサー(No.4508)で、現在の要件と期限を確認する
- 税理士か、所轄の税務署に相談する
不動産会社は税の判断をする立場にありません。私たちができるのは、契約の日程や持分の決め方を、税の要件と噛み合うように組むことです。
まとめ
- 非課税の枠は、省エネ等住宅で1,000万円、それ以外で500万円
- 期限は令和8年12月31日までの贈与です
- 翌年3月15日までに取得して住む。翌年12月31日までに住まなければ原則として使えません
- 出資の割合と登記の持分を合わせる。 ここは税の制度とは別に必ず効きます
世田谷で家を買う前に決めておくことは世田谷で家を買う前に決める4つのことに、相続に関わるご相談は相続・空き家のご相談にまとめています。個別の判断は、必ず税理士など専門家にご確認ください。
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